kicoruファニチャー(家具)4

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オーダー家具もお気軽にご相談ください。

木への想い 『木』には二つの命があります。

一つ目の命は大地にしっかりと根を張り堂々たる風格で何百年もそこにたたずみ、水や空気をそして我々に生きるための食糧を与えてくれます。
そして第二の命、それは私たち『木』に携わる様々な職人たちが、第一の命に感謝しながら与えていくもの。

伐採することからすべてが始まり、木々をあますことなく使い切り素敵な木工品としての命を吹き込む。

木製品に生まれ変わった『木』はまた何百年もこの世の中を見守り続ける…。

私はこうした製品として生まれ変わる瞬間を創造できることに感謝しています。

そして、末永く使える製品作りにこだわりと誇りを持っています。

『箪笥で伝える想い伝わる想い。』
本日、石川県に最高のお嫁入り道具を
納品させて頂きました。

この箪笥のご相談を頂いたのは昨年の6月、
最初は当店の事をネットでご覧頂いてのご来店でした。

ご依頼内容はざっくりいうと(長くなるので)
最近では少なくなりましたが、『婚礼の桐箪笥の製作』
でした。
最終的にご注文を頂くまでは、
昨年4月に工房内を見学できるようにした店内を
ご案内したり。嫁がれる娘さんにもご来店頂いたり
して、それぞれのご要望をヒアリングさせて頂きました。

内容的には・・・

お母様
『お着物が沢山あるんだけど、引き出し一段にあまり重ね置きたくない』
娘さん
『和室ではなく洋室に置く事になるので和テイストな桐箪笥にしたくない』
『シンプルな方がいい』
お父様
『県外にお嫁に行くんだから福井の伝統工芸である
越前箪笥の金具を付けた箪笥にしたい』

等々のご要望。。ここからはオーダー家具屋としての
頭をフル回転させて頂きました。が、なんかムズイ(笑)

シンプルであり重厚な金具がついていて和家具過ぎないって
なんか相反するような。

ここはもう自分のセンスを信じるしかないって事で、
ご提案させて頂いたのが画像にある箪笥ってワケです。

先ず桐箪笥の抽斗(ヒキダシ)は通常の深さより浅めにして
そのかわり1段増やす。

外観の仕上げはモダンにするため、砥の粉仕上ではなく
拭き漆と焼き桐仕上げをご提案させて頂きました。

金具は極力少なめに。
でも越前箪笥らしく手づくりの分厚い金具を真綿で焼いて
当店独自の焼き漆でマットな質感に。

そして、箪笥を浮かす事で、フローリングのお掃除がしやすく、デザイン的にもカッコイイ足付き。

等々を含めた図面を提出させて頂きました。
最終的には拭き漆仕上げとしてご注文を頂き
製作開始!!

で、ここからが本題なんです!

体験&見学工房の当店としては沸々とアイディアが(^^;
せっかくなのでお嫁に行く娘さんのために、
お父様に製作の一部を携わって頂こうと考えました。

てことでご提案したら、OKして頂けて、
金具の一部分を仕上げて頂きました♪

『大切に育てた娘さんのためにお父さんが一生懸命に
お嫁入り道具をつくる』

そんな姿を見ていたら、なんかお嫁入り道具の新しい
『価値』を見つけたような気がしてなりません。

自分は職人なのでお客様に最高の箪笥を魂込めて
ご提供するのが使命。
そしてお父様は、娘のためにつくる。。

お母様は娘さんのために用意しておいたお着物を
大切に大切にしまう。

そして本日、お道具入れの日。
実はこの箪笥はまだ完成していませんでした。
お父さんのつくった金具の部分の釘を
打っていません。

最後は、是非お父様や新郎新婦さんに
仕上げて欲しくて。。

こうしてようやく完成した箪笥には、お金を支払って
『モノ』を贈る事とはちょっぴり違う『想い』が
『モノ』に感じられるようになりました。

きっと娘さんにもこの想いが伝わったのでは
ないでしょうか。

本当に最高のお嫁入り道具が完成しました!

こんな無茶とも思える提案を快諾頂いた
お客様には感謝しかないです。
ありがとうございました。

~これから新しい生活が始まる中で、
頼もしい存在の箪笥になりますように。
そして何百年もご家族を優しく見守り続ける
箪笥になりますように。

※画像の掲載につきましては、
お客様のご承諾を頂いております。

kicoruについて

越前箪笥・オーダー家具・木製アイテム・カトラリーのお店「kicoru」

"木にこだわる" “kicoru”は、創業百年『小柳タンス店』の四代目であり箪笥職人でもある小柳範和が代表を務める『箪笥職人のセレクトショップ&アトリエ』です。

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